kijitora（きじとら）

「きじとら」を考案するにいたった日本建築の背景から、現在の大工職人たちの現状とわたしたちの取り組みをお話させていただきます。

近年住宅メーカーの台頭により、大工職の現状は大きく一変しました。家屋の構造体の加工が工場生産に切り替わり、現場作業は簡素化、組立工が増え職人の技術衰退を招いたのです。
1980年代までは約100万人いた大工職人も年々減少し、約40年の間で30万人以下になり、全体の三分の二は50歳以上の高齢者となりました。このまま職人の高齢化が進行すれば、20年程で大工技術は崩壊するでしょう。我々の住まい造りを支える彼らを失ってもよいのでしょうか。

そのような背景の中で私が考案したのが、猫部屋リフォーム専門店「きじとら」。育成途中である若手の大工職人たちが一人前になるまで、高齢の職人たちが活躍できる場所として「猫の遊び場」に携わっていただいているのです。一般的な工事現場よりも遥かにリスクがなく、培った経験知識を存分に発揮でき、末永く仕事に取り組んでいただける。お互いに嬉しいことがあるこの事業は現在着実に成長を続け、年々、受注も増加しております。

「きじとら」のお仕事は、大工職人たちにとって大きな喜び・感動を与え、日々の生きがいとなっているのです。高齢の職人たちの雇用枠増加、若手職人の育成に力を入れていきたい所存です。